

そこでこの記事では、インフラエンジニアの仕事内容について理解できた方向けに、以下の内容にについて解説していきます。
この記事の内容
- インフラエンジニアに向いている人の特徴
- インフラエンジニアの魅力と注意点
この記事を読み終えると、次のような状態になっているでしょう。
目指す状態
- インフラエンジニアに向いている人の特徴を理解し、自分に合っているかどうか検討できる
- インフラエンジニアの魅力と注意点を知った上で、キャリアの選択ができる
それでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴から見ていきましょう。
まだインフラエンジニアの仕事内容について知らない方は、以下の記事をご覧ください。
【インフラエンジニア完全ガイド①】職種と仕事内容について徹底解説!
1.インフラエンジニアに向いている人の特徴
インフラエンジニアに向いている人の特徴には、どんな特徴があるのでしょうか。
ここでは、仕事内容をもとに以下の7つの特徴をご紹介します。
7つの特徴
これから説明する7つの特徴を全て満たしている必要はありません。
1つでもご自身に当てはまる点があれば、インフラエンジニアとして活躍できる可能性があります。
1-1.細かいところに気を配れる人
インフラエンジニアに向いている人の1つ目の特徴は、細かいところに気を配れる点です。
インフラは情報システムの土台であるため、インフラの機器の故障などによるシステム障害が、システム全体の停止に繋がることもあります。
土台であるインフラが停止してまえば、その上に乗っているアプリケーションも停止してしまいます。
そのため、システムの設計・構築・運用・保守のそれぞれの段階で、細かいところまで気を配り、慎重かつ入念に仕事を進めていくことが重要です。
周囲の人と比べて、普段から何かのちょっとした違いに気づいたり、それを自分で修正したりしている方は向いていると言えます。
1-2.用意周到な人
インフラエンジニアに向いている人の2つ目の特徴は、用意周到な点です。
情報システムを長期的に安定して稼働させていくためには、起こりうるトラブルに事前に備えることが非常に重要となります。
そのため、設計・構築の段階では、想定されるリスクを様々な観点から洗い出し、万が一のことを見込んで設計・構築を行います。
また、運用・保守の段階では、トラブルを未然に防ぐための保守作業、トラブルが起きてしまった時の対応手順など、システムの停止を少しでも減らしていくためにあらゆる準備が必要です。
何か行動を起こす時に、事前にいろいろな場面を想定して準備を行なっている方は、その特徴が活かされるでしょう。
1-3.正確性と忍耐強さを持っている人
インフラエンジニアに向いている人の3つ目の特徴は、正確性と忍耐強さを持っている点です。
ATMサービスをはじめとする金融システムなど、社会的に重要性が高いシステムは、短時間でのシステムの停止でもそれが与える社会的な影響は甚大なものとなります。
そのため、万が一のトラブルも起こさないように、作業の正確性が求められます。
また、システムの障害が発生したとして、すぐにその原因が判明するとは限りません。インフラは物理的なハードウェアやソフトフェアなど、様々な要素から複雑に構成されているためです。
そのような状況の中でも、諦めず原因の究明を進めていく忍耐強さも重要となってきます。
何か難しい問題があってもめげずに、逆に、それを解決するのが楽しいと感じられる人は力を発揮できるでしょう。
1-4.縁の下の力持ち的な人
インフラエンジニアに向いている人の4つ目の特徴は、縁の下の力持ち的な人という点です。
インフラはシステムの土台となる部分であり、ユーザーが直接操作を行うアプリケーションと比べると、ユーザーと関わっている実感は比較的少なく感じられることがあります。
そのため、周りのサポートを行うこと方が向いていると感じる人にとっては、向いている仕事だと言えます。
1-5.機械いじりが好きな人
インフラエンジニアに向いている人の5つ目の特徴は、機械いじりが好きな点です。
勤務先の企業や担当する業務によっては、システムを構成するサーバーやストレージ、ルーター、スイッチなどの物理的な機器を、実際にデーターセンターなどで設置を行うこともあります。
設計書・手順書をもとに、サーバーラックと呼ばれる収納スペースに、機器を設置しケーブルの配線を行います。
普段から、何か機械を分解したり、また、プラモデルを組んだり、細かな手作業が好きな方にとっては苦のなく作業ができるでしょう。
1-6.コミュニケーション能力・マネジメント能力が高い人
インフラエンジニアに向いている人の6つ目の特徴は、コミュニケーション能力・マネジメント能力が高い人です。
障害やトラブルが発生した時は、チームメンバーと連携して対処にあたります。
その時には、早期にトラブルを解決するために円滑なコミュニケーションを取り、立場によってはチームメイトをうまくマネジメントしていく必要があります。
また、トラブルが収束した後は、クライアントなどの関係者にトラブルの報告と再発防止策の説明を行います。
その時には、認識の齟齬がない適切なコミュニケーションが非常に重要となってきます。
もっとも、若手であったり経験が浅いうちは、システムの運用・保守を担当することが多く関わる人たちも限られているため、そこまで高いコミュニケーション能力が要求される場面は多くありません。
しかし、設計や構築などの上流のフェーズに行けば行くほど、関係する人の数が増え、コミュニケーションの機会が増加します。
したがって、コミュニケーション能力とマネジメント能力は、年次が上がれば上がるほど重要となってくる特徴だと言えるでしょう。
1-7.新しい技術や知識を常に吸収する知的好奇心がある人
インフラエンジニアに向いている人の7つ目の特徴は、新しい技術・知識を常に吸収する知的好奇心のある点です。
インフラエンジニアに限ったことではありませんが、IT業界は日進月歩で進歩しており、新しい技術や知識の習得は欠かせないものとなってきています。
もちろん、特定の限られた技術でも、職場環境や待遇で妥協ができれば、その技術だけでやっていくことも可能でしょう。また、特手の限られた技術でも専門性をとことん高めれば、その限りでもありません。
しかし、柔軟に「キャリアをUPしたい、自分が望む職場環境や待遇で働きたい」と考えるのであれば、新しい技術や知識を常に習得し続けることは避けられません。
その意味において、新しことを学ぶことが苦でなく、知的好奇心のある方は、活躍の幅を広げキャリアをUPしていくことができるでしょう。
2.インフラエンジニアの魅力と注意点
続いて、インフラエンジニアの魅力と注意点を説明していきます。
インフラエンジニアのキャリアを考える上で、押さえておきたいポイントです。
2-1.インフラエンジニアの5つの魅力
インフラエンジニアの魅力は以下の5つです。
インフラエンジニアの5つの魅力
- 社会貢献度の高いスケールの大きい仕事に携われる
- 将来性が高く半永久的に仕事が無くならない
- IT業界の中でも高収入を実現可能
- 最新のスキルや広範な知識を習得できる
- クライアントと長期的な関係を構築できる
詳しく説明していきます。
2-1-1.社会貢献度の高いスケールの大きい仕事に携われる
インフラエンジニアの1つ目の魅力は、社会貢献度の高いスケールの大きな仕事に携われる点です。
そもそもシステムの土台となるインフラは、システムの稼働・停止を左右する重要度が高いものです。
例えば、もし銀行の取引に関わるシステムが停止すれば、お金がの流れが止まり直接的に経済活動に影響が生じます。
それだけに、仕事における責任が非常に大きいとは言えますが、見方を変えればそれだけ社会貢献度の高いスケールの大きい仕事と捉えることもできます。
もちろん、世の中に役立っていない仕事はありませんが、「社会の役に立っている」という実感をより強く感じたい方にとっては、魅力的な仕事と言えるのではないでしょうか。
2-1-2.将来性が高く半永久的に仕事が無くならない
インフラエンジニアの2つ目の魅力は、将来性が高く仕事が無くなる可能性は極めて低いという点です。
経済産業省の以下のグラフによると、2018年時点でIT人材は約22万人不足しており、2030年時点においては約45万人に拡大することが見込まれています。
引用:経済産業省|IT人材需給に関する調査(概要)|2019年4月発表(最終アクセス日:2023年4月8日)
ITエンジニアの需要が増え続ける一方で、ITエンジニアの供給が年々追いついていない状況となっています。
また、転職サービスdodaの有効求人倍率によると、エンジニア(IT・通信の)は約10倍となっており、他の職種と比較して突出して高い数値です。
引用:転職サービスdoda|エンジニア(IT・通信)の転職求人倍率|2023年3月23日発表(最終アクセス日:2023年4月8日)
さらに、Indeedで「インフラエンジニア 未経験」のキーワードで検索すると、183,653件の求人数があります。(2023年4月8日時点)
引用:Indeed|「インフラエンジニア 未経験」での検索結果画面|最終アクセス日:2023年4月8日
以上から、ITエンジニアの需要は年々増加しており、インフラエンジニアの需要は今後も減る可能性は低いと言えるでしょう。
2-1-3.年収が日本の平均年収より高い
インフラエンジニアの3つ目の魅力は、日本の平均年収より高い点です。
転職サービスdodaによると、インフラエンジニアを含むエンジニア(IT /通信)の平均年収は442万円であり、日本の平均年収403万円と比べて、約40万円高くなっています。

グラフ2:インフラエンジニアの平均年収と日本の平均年収との比較
参考:転職サービスdoda|平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】|更新日:2022月12月19日(最終アクセス日:2023年4月9日)より作成
また、平均年収の範囲としては367万円〜694万円であり、経験やスキル、勤務先、勤続年数によっては、高収入を得ることも可能でしょう。
2-1-4.最新のスキルや広範な知識を習得できる
インフラエンジニアの4つ目の魅力は、最新の知識や広範な知識を得ることができる点です。
インフラエンジニアには、以下の4つの分類があります。
参考
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
※上記の職種の詳細については、以下の記事でご紹介しています。
【インフラエンジニア完全ガイド①】職種と仕事内容について徹底解説!
それぞれの職種が奥深く、その1つの職種を極めるだけでも、かなりの学習と経験を積む必要があります。
中には、全ての職種に精通した凄腕のエンジニアの方もおり、そんな方の市場価値は大変高く、年収も1000万円を超えます。
このように、インフラエンジニアはさらに4つの職種に細分化されそれぞれが大変奥深いため、広範な知識を得ることができます。
それにより、ご自身の市場価値をどんどん高めていくことが可能なのです。
また、インフラエンジニアに限らずですが、IT業界は常に進歩しています。
したがって、インフラエンジニアを含めてITエンジニアとしてIT業界に身を置くことは、常に最新の技術やスキルに触れる機会があると言えるでしょう。
2-1-5.クライアントと長期的な関係を構築できる
インフラエンジニアの5つ目の魅力は、クライアントと長期的な関係を構築できる点です。
他のIT分野の職種と比べてインフラエンジニアは、インフラであるがゆえに、クライアントと長期的な付き合いとなることが多くなります。
インフラはシステムの土台であるため、短期間にたびたび刷新または入れ替えを行うことはなく、あるのはシステムの部分的な更新や改修となります。
クライアントとしては、インフラであるがために、できるだけ自社のインフラに精通している人に継続してお願いしたいと考えます。
そのため、システムの刷新を担当したエンジニアが継続して、その後のシステムの部分的な更新や改修を担当することが多く、結果として特定のクライアントと長期的なお付き合いをすることが多くなります。
とことん1つのシステム、1つのプロジェクト、1つのクライアントに限定して、深い関係を構築していきたいと考える方にとっては、腰を据えて働ける職種と言えるでしょう。
2-2.インフラエンジニアの3つの注意点
インフラエンジニアの注意点は以下の3つです。
インフラエンジニアの3つの注意点
- 運用保守を担当する場合は夜勤することもあり
- GWやお盆休み、正月休みは出勤の場合は多い
- キャリアが特定の業界に限定される場合もあり
健康や休日など、毎日の生活に関わるものもあります。
重要な点ですので、以下、ご確認ください。
2-2-1.運用保守を担当する場合は夜勤することもあり
インフラエンジニアの注意点の1つ目は、勤務形態として夜勤になる可能性がある点です。
勤務先の事業内容や配属されたプロジェクトによりますが、若手や経験が浅い段階だとシステムの運用保守を担当することが多く、24時間体制でシステムの監視を行う場合もあります。
その場合、通常は3交代制となるため、夜勤の勤務が発生します。
労働基準法に基づいて適切な休憩時間と休日が割り当てられますが、人によってはそもそも夜中に働くことが身体的にかなりの負担になる方もいます。
もっとも、運用保守の経験を積んで、順調に上流工程の設計や構築に進めれば、夜勤を担当することは少なくなります。
しかし、最初のうちは運用保守を担当するのは通常ですので、入社する会社の夜勤の有無とご自身の体質や体の状態を踏まえて、慎重に検討する必要があります。
2-2-2.GWやお盆休み、お正月休みは出勤の場合は多い
インフラエンジニアの注意点の2つ目は、GWやお盆休み、お正月休みなどの長期休暇の時に出勤する場合が多い点です。
ITの職種の中でインフラエンジニアは特に、ソフトウェアのアップデートや機器の交換などのシステムの運用保守または更新の作業が発生します。
そして、その作業時には一時的にシステムを停止する必要があり、システムの利用者が少ないGWやお盆休み、正月休み等の一般的な長期休暇の時にシステムを停止させます。
そのため、そのシステムのインフラを担当する人間は、多くの場合、事業責任者や部長などの上級の管理職を含めて、長期休暇時に出勤することになります。
もちろん、ずらして長期休暇を取ることにはなりますが、家族やパートナーと長期休暇の時期がずれ、旅行やお出かけの予定が合わせづらくなります。
2-2-3.キャリアが特定のジャンルに限定される場合もあり
インフラエンジニアの3つ目の注意点は、キャリアが特定のジャンルに限定されてしまう可能性がある点です。
この点は、先に述べたインフラエンジニアの魅力である「クライアントと長期的な関係を構築できる」ことと、表裏一体でもあります。
規模が大きく社会的な重要性が高い金融システムなどは、特定の技術者が何十年に渡り、同じシステムに携わることが多くなります。
クライアントとしてもその方が安心であり、ご自身が所属する会社としてもその方が望ましいと考えるからです。(改めて経験や技術を積ませるコストがかからない)
確かに、長年同じシステムに携われることは、クライアントと長期的な関係を築くことができ、特定のジャンルのシステムとその技術について経験を積み、専門家になれるメリットがあります。
しかしその一方で、特定のジャンルのシステムとその技術の経験に限定されてしまうと、仮にそのジャンルや技術が廃れてしまい、別のジャンルのシステムに携わる時に、非常に苦労することになります。
さらに、苦労どころか、他のジャンルに移ることもできない可能性もあります。
したがって、特定のジャンルに過度に偏ることがないように、定期的にプロジェクトの移動を申し出たり、ご自身で別のジャンルの技術やスキルを習得する努力が、柔軟なキャリアを構築する上で、重要となってくるでしょう。
3.まとめ
当記事では、インフラエンジニアを目指すにあたって、インフラエンジニアに向いている人の特徴、魅力と注意点について、説明してきました。
インフラエンジニアという仕事の特徴を理解し、それがご自身のライフスタイル、性格、特性と一致しているか検討し見極めることは、キャリアを構築していく上で非常に重要な点です。
もしこの記事をご覧いただいて、インフラエンジニアのキャリアを選択したいと考える方がいらっしゃいましたら、次は以下の記事をご覧ください。
【インフラエンジニア完全ガイド③】求められる姿勢・知識・スキル 取っておきたい資格を徹底解説!
【インフラエンジニア完全ガイド④】未経験から目指す方法とキャリアプラン
当記事がインフラエンジニアのキャリア選択の参考となれましたら幸いです。